2022年3月12日(土)に大阪市内で開催された第54回近畿小児内分泌研究会にて「甲状腺 歴史と臨床」というテーマで1時間の特別講演を行いました。
前半は甲状腺の発見から名前の由来について歴史を紐解きました。首が脹れる病気(甲状腺腫)が存在することはギリシャ時代から知られていましたが、それが甲状腺であることは16世紀になって初めて認識されました。また正常の甲状腺に関する最古の記録はレオナルドダビンチの描いたスケッチです。
後半では、甲状腺機能亢進症や機能低下症を診療する際に気を付けるべきピットフォールについて提示しました。極めて微量な甲状腺ホルモンを測定し診断と治療を行っています。ただ基準範囲内かどうかだけをみるのではなく、そのバランスや値の推移から体内でどのようなことが起こっているのかを理解して治療を行うことが重要であることを講演しました。
この研究会は新型コロナウィルス感染症の流行状況を鑑み、WEB会議形式で開催されました。参加者は70名で、これまで集合形式で開催していた時とほぼ同等のご参加人数であったとのことです。