本学会において、当院院長の笠原が隈病院で診療している遺伝子変異と腫瘍を有する症例について、隈病院より発表がなされました。当院では現在、DUOX2遺伝子、TSHR遺伝子、Tg遺伝子、TRβ遺伝子といった遺伝子変異を有する方についても診療を行っております。今回の発表はまた別の遺伝子に関するものですが同じ遺伝子変異を有していても一人一人の表現型は様々でまだまだ解明すべき課題が多く残されています。
今回の学会ではそのほか、重要なこととして妊娠前後、妊娠中の甲状腺機能管理についての報告やセミナーがありました。当院では妊娠中の甲状腺機能管理として胎児の甲状腺機能を正常化することを重視した治療を行います。これが重要なことなのですが、母体に投与している薬剤量と胎児に移行する薬剤量のバランスは薬の種類によって異なります。母体の甲状腺機能を一般的な甲状腺機能検査の基準範囲内にすればよいというものではないのですが、専門医以外にはまだ十分知られていないようです。そのほか、多岐にわたる話題を議題とした活発な討論が3日間にわたりなされました。