このたび、院長・笠原俊彦の研究論文が、欧州の専門医学誌「European Thyroid Journal」に掲載されました。

本論文は、甲状腺機能低下症患者におけるレボチロキシン（チラーヂンS）投与量と血中FT4値との関係を後ろ向きに検討した大規模研究です。

服用するチラーヂンSの量が多いほどFT4値は高くなる傾向がみられ、ときに基準範囲を超えることもありますが、TSH（甲状腺刺激ホルモン）が基準範囲内にある場合には、これは薬の効きすぎではなく、体が必要とするホルモンバランスを保つための自然な反応であることを示しています。

■ 論文情報

Kasahara T. (2025). The relationship between levothyroxine dosage and free thyroxine levels in hypothyroid patients: a large retrospective study.

European Thyroid Journal, 14(4), e240388.

https://doi.org/10.1530/ETJ-24-0388

今後も臨床診療と並行して研究活動を継続し、甲状腺医療の質の向上に貢献できるよう努めてまいります。